[かじかむ手を擦りながら廊下を歩いていれば、先ほどのラウンジに辿り着きました。温かいものが欲しいと思えば、あら不思議、お茶のセットが机に用意されておりました。急須にほうじ茶を入れ湯のみと一緒にお盆に乗せて、掘りごたつまで持っていきます。他に誰かいるかしら。居たなら挨拶をして、炬燵の中に足を滑り込ませます。じんわりとした温かさが、すっかり冷えてしまった体を温めてくれます。ほうじ茶の香ばしい香りは、あの子の好きなものでした。]*