……あら、アロイスさん。こんにちは。
[聴き慣れた呼び名に反射的に振り返れば、此方に向かう赤髪の彼が見えて 立ち止まり 会釈をした。>>48
元気いっぱいの彼の手からは自然と調和した家屋を始めとした様々な建築に用いられている石材の数々が生み出されている。その作品≠スちの形の精巧さに、目を奪われていた自身にとってはその作り手と話ができることに内心喜色が広がっていた。]
いいえ、大丈夫ですよ。どうされました?
[彼の言葉に相槌を入れつつも、続く言葉に小首をこてんと傾けて。]
作図、デザイン…… ものに因るかもしれません。
何かお困りでしょうか、今度皆さん作られるものとか?
[授業で話す知識と実地的な能力は異なることは分かっている身の上であるからこそ、生業としている彼の前では軽々しく詳しいと言えずに笑みを携えることしか出来ず。でも、お力添えできるといいのだけど、と零れた言葉は紛れもなく本心だ。*]