ー 裏通り・灰色の男と ー
[昔馴染みと別れたあと、男はすたすたと裏通りを歩く。
ふと目に入ったのは瓦礫に花を添えて蹲る男。>>68
こいつも男はよく知っていた。
このあたりは10年前までは抗争も絶えなかった。
そんな中、二人仲睦まじく生きる男女がいて…
男だけ、取り残されていたことも。
5年前に死にかけて、
見た目を変えることになったため、
マフィアのボスの蘇りの噂を知ってなければ
相手は自分のこともわからないだろう。
抗争の原因の一人がこんな姿になっているなんて
慰めるつもりはないが、そんなところで蹲られても
ということで声をかけることにする]