[大小様々な南瓜を並べたテーブルの前に腰掛け、
手にしたカービングナイフを小刻みに震わす。
やがて、ことりとナイフを置くと、
鮮やかなオレンジ色の肌に口付けんばかりに顔を寄せ、
自分の与えた傷をしげしげと検める。]
ふむ…………。
こんなものか。
[綺麗にくり抜いた南瓜の内側に
ひとつひとつキャンドルを安置し、
マッチで火を灯す。
部屋の明かりを落とせば、透し彫りのように
浮かび上がるのは、人間の顔ではない。
吸血鬼や狼、魔女、その他パンプキンタウンの住民の類を
模した、一風変わったジャック・オ・ランタンだ。]