—回想:シルヴァン —
こんにちは、……貴方がシルヴァンさんでしょうか。
ごめんなさい、急にお呼び立てしてしまって。
[訪れた銀髪の彼に深々とお辞儀をし、口火を切った。>>0:433
さる授業で扱う資料が足りないことに気が付いたのは、直近のこと。まだこの村に来て日の浅い自身にとって何処を頼りにすればいいか分からずに、校長——雇い人に掛け合えば、詳しい資料をお持ちの方がいるそうで。目の前に垂れ下がる頼みの綱を無視できずに、どうにか懇願したところだった。 ]
とても居心地が良い村で、楽しく過ごさせて頂いてます。
子どもたちも優しくて……そう。
寧ろ、私が村のことを子どもたちに教えて貰っているぐらいでして。
[この村の人達は日が浅い此方への配慮を欠かさない。戻ってきたばかり、と———元々は村育ちである言い回しに合点がいった気がした。]