……私の姿を。 いいのですか、貴重な貴方のお手間を、 貴方が筆を走らせるお時間を頂いても。[スイッセスの人生にも、写真ならばあるが人に絵を描いて貰うという経験はなかった。彼の絵は、そのひと筆ひと筆に心を込めたものである。何度もクロッキー帳を見せて貰ったのだから知っている。何度も彼が熱心に絵を描いている姿をこの一か月に見ていたのだから、知っている。そんなに素晴らしいものを、私は貰っていいのだろうか。…答えは勿論。]