回想:停職期間中
[一週間の停職期間は、随分と退屈であった。図書室から借りてきていた本はすでに読み終わってしまった。
「停職処分祝いだ!」と言って酒を持ってきた同僚は、結局一人で飲み干して潰れた(邪魔なので部屋の外に転がしておいた。)
やれることといえば、規則の再確認と自主トレーニング。それと家族へ手紙を書くこと。
愛用の万年筆を握り、代わり映えのない日常を綴る。
収監所に出入りするものは全て検閲されることになっている。そういう規則だ。
結局、いつも通りの内容に落ちつく。
停職処分を受けたことは書かなかった。]*