[ ある日を境に突然、弟は遊びにも出なくなった。 私だけが賑やかな城下町へ繰り出しては、 親が懸命に何かを弟へ説いているのを聞いていた。 医学を身につけ、やがて医者と認められても 私以外の家族の様相はてんで変わりはしない。 寧ろここまで処刑されていないのが不思議だった。 多分、外には一切知られないよう努めていたんだろう 私が医者になっても何をしても、景色は同じ。 そんなに言っても聞かないならいっそ、 ………………。 ]