[のんびりと時間を掛けてフェアリーエリアから抜ければ、ファンタジーエリア内で屈指の大きさを誇る王城へと足を踏み入れる。
城門前の兵装に身を包んだスタッフは僕を見て、『勇者様の入城です!』 と大声で周知するものだからとても恥ずかしいんだけど。
そうか、ファンタジーエリアだからそういう感じの対応というわけね……。
思わぬ罠に帽子を目深に被って入城した僕は、迎えられた内装に溜息が漏れた。
荘厳なシャンデリアと庭園。中庭も兼用の空間は煌びやかな中に爽やかさも存在していた。
正面には玉座へと続く階段が伸びていて、さながらドラゴソなクエスツを彷彿とさせる王城1階。
そこにはファンタジーエリア限定の売店が立ち並んでいた。
ひとまずそれらの確認は後回しにして、目当ての資料館(と写真館)は2階かなと階段を上がっていけば、恰幅の良いthe 王様と言わんばかりの人物が玉座に鎮座ましまして、僕に話しかけてくる。]
『おお ゆうしゃよ こたびは まおう たいじ の にん──』