>>87 ユークレース
[ この魔物にしては珍しく、寝ている間何をされていても目を覚まさなかった。
警備団の服を開ければ、肌着のような白い布服を着ている。そのまま、布団を掛けられて熟睡していた。
……──どれ程寝ていただろう。
ふっと眼を開き、何処に居るのか確認するように視線を彷徨わせた。
ゆっくりと上体を起こし、静かに周りを見遣る。
灯りがついていなければ手探りでベッドを確認し、灯っていれば部屋の中を見渡すだろう。
ゆっくりと立ち上がろうとして、革靴を脱がされている事に気付く。ベッドの脇にあるであろう靴を蹴飛ばし、転がしてしまった。
その音に、部屋の主は>>90起きるのだろうか。 ]