─回想/春の森の木苺狩りと秘密のお裾分け─
[アレウスとミリアにとっても
初めての行事は森の木苺狩りだった。
お兄さんお姉さんから事前に話を聞いていた2人、
特に木苺好きのミリアはもう楽しみのあまり前日は夜も眠れない程だったらしい。
当日、同年代の子やお兄さんお姉さんたちとカゴを手に森を散策するのは新鮮でアレウスでさえも興味深く辺りを見回すほどだ。]
ミリア、トゲに気をつけて。
あと摘んだ実の裏に虫さんがいないか見るんだよ。
[つまみ食いばかりでちっともカゴに貯まらないミリアに呆れながらも兄として危ない目に合わないようしっかりと見張っていた。
自分たちが下の実を取れるよう上の実を摘むお兄さんお姉さんの姿に気づけば「ありがとうございます」と頭を下げた。]