[……まで聞いた所で回れ右。
何かしらの没入型アトラクションに片足を突っ込んでしまったらしい。
背中から王様の視線をヒシヒシと感じる。ごめんって。
階段を降りて、改めて周りを見回せば『資料館はこちら』の看板が。
売店から脇に逸れた渡り廊下、丁度王城の側面部を歩いていけば、
城の一角を改装した資料館のフロアへと辿り着く。
写真館は資料館の中に併設される形だったので、資料館はある程度流し見る程度で抜けてしまおうと思っていたのだけど……。
ふと壁に掛けられた絵画に足が止まった。
それは、レオーネさんが言っていたロストガーデンと呼ばれる場所の絵だった。>>0:203 >>95
ただし、それは聞いていた今現在のロストガーデンの様相とは若干異なっていた。
花畑、と言うには少し疎らな花々は未だ発展途上の様な印象を与え、遊具は真新しさが残ったまま置いてあり、真ん中には小さな子供とライオンの幼子が寄り添って眠っていたからだ。
ともすればこれは過去の絵なのかもしれない、と思えばこの人物は……。*]