― 冬・文化祭が終わった後/図書室 ―
[準備から当日までの賑やかな日々が過ぎ、
季節は冬へと移り変わろうとしている。
落下防止の銀色のバーに寄りかかる腕は冬服に包まれていた。
結月の視線は外を向き、下に落ちる。]
……。
[視界の先には校舎前の花壇が佇んでいた。
彼>>35の言う"また"が形になることはあったか。
どちらにせよ、今の結月にはそれを気にする様子はない。
ここから見える景色を惜しむような、静かな表情だった。
カウンターに置かれた今日の日付が木曜日を示す。
今日が最後の当番だった。]