[こうして両者、睨み合う。>>88 一秒。二秒。三秒。 ―――――。 ……「感情」の出力が薄いオクリビの電子の脳は、しびれを切らさなかった。 『不変を嫌う』という、彼に纏わる話を意識して策を練っていた訳ではない。ただ「いつ出るべきか」のタイミングを、あたかも機械のように伺い待ち続けた結果、こうなってしまっただけ。 その結果、現れる銃身――銃口――引かれるトリガー。 真に実戦経験があったとしても、果たして肉眼でこの早打ちを追い切れていただろうか。 けれども女の目は肉眼ではなく、その神経も――]