― 消去、専用個室 ―
[その部屋は、やはり白い。
真っ白な部屋に入ると、目の前には背もたれとひじ掛けのあるレトロな白い椅子が数脚。
金属ともプラスチックともつかない素材で組まれたソレは、クッション部分に布が張られ、年月を感じさせる傷やスレがあるものの、それが逆にその椅子の存在感を引き立てている。
無機質な施設に有機質な異物が数脚。其々人数分置かれ、ひじ掛けの下部に表示されている各々の機体名に従い、座るよう促されただろう。]
名があるだろう
その場所に掛けて
[標準ヒトガタ寸法のソレを指す。
座れない個体には専用の場所が用意されており、大きめの座椅子のようなソレにもやはり、布が張られていた。
まるで時間が止まったかのような不思議な雰囲気を纏う部屋。
深夜0時までの談笑の後、椅子に掛け暫くすると、四肢へ自動的にロックがかかる。
背後から異音、後頸部付近にプラグ接続。]