[…けれど、彼女はどこか確信めいたように、フットマンが一人で来るであろうと感じていたようだった。
…その理由は、なんとなくだけど]
…なんとなくってなあ……
…いや、分からなくもないけど。
あいつ、何かと気分が良くなる方良くなる方に
選ぶとこあるしなあ…
けど……あいつ自身はそうだとしても、
その機嫌に合わせて動くのが得意な部下はたくさんいるだろ、あいつ。慕われてるし。
そいつらが、影から様子見してて、フットマンの機嫌が変わったら飛び出したっておかしかないんだ。フットマンだけが相手ならともかく、周りの奴らも優秀じゃあ相手するのに骨が折れるよ
[…と警告もした。…このへんは、彼女の祖父が
色々連れ回してくれたおかげでついた状況予想能力だ]