[白薔薇は、自分の苗を買って世話をしていたあの女の子が話していたことから考えていました。
人間はうさぎなどの動物の形を模した「ぬいぐるみ」に対して、まるで本物の人間かその他の動物相手のように話しかけて大事にするものなのだと。]
こんにちは。
私は君を踏んでしまったようだ。ごめん。
[白薔薇はまず両膝を折って屈んでから、うさぎのようななにものかに、男の人の声でそう謝りました。
さて、ここはどうやら、お宿の入り口近くのようです。
そしておみかんの存在から、このうさぎのようなものが何故ここにいるのかを考えました(この宿に来た時に、白薔薇もおみかんを女将からもらったのです)]
私はこれからラウンジの本を読みに行くところ。
君は?
[もしもお互いの行き先が同じだったなら、ホモ・サピエンスの成体の形状を取っている白薔薇の手で、おみかんを運ぶのを手伝うこともできたでしょう。**]