[脱出については、なんとも言えずに濁してしまう。>>95]
う〜ん……私はあまり外に対する未練がないのよ。
外に戻っても、何も残ってないから。
[伏し目がちにそう告げると、植物が悲鳴を上げる音が何度か続く。]
……あ、でも。
[そんな音を聞きながらふと、あの子が自由になれたらと夢想していた言葉を思い出す。
今はもう、叶う事のない願い事。]
もしここを出られたら……遊園地に行ってみたいのよ。
[それが脱出する為の理由とするなら、あまりにもささやかな願いだけど。
今の私にはそれ以上の願いを思いつく事は出来なかった。
……あ、人参抜けた。**]