[最初の“嵐”によって転がった遺体のリリオへの搬送数は多かったが、全ての死者を弔うまでには至らない。
かの葬儀社はこの国の衛生・福祉機関のひとつとはいえ、カネで動く企業でもあるのだから。
そんな「白百合」を退職し「組織」に属した女は、葬儀社のボランティアや嘱託を務めることもなく、抗争の跡地をその時歩いていた。]
あら、貴女、
[はたと目に留まったその人>>94>>95の姿に、オクリビは小さく声を上げた。
今は休憩中のスコップ。荷車の上に重なる遺体。日陰に寝そべるは黒い大型犬。これまでそうした「目標」を見つけられなかった「鳥のような機械」は、別にばつの悪そうな挙動を取るでもなしに、オクリビの肩の上に静かに佇んでいる。]
久しぶりね、ヌル。
実は探してたのよ――っていうのは置いといて。
[こうして予期せぬ形で「ぬーちゃんへのお届け物」の好機となった訳だが、この件は急ぎという訳でもなかった……と言えば「依頼主」たる子供には怒られそうだが、ともあれ]