ハリコ?
[わたしは、銃弾が抉った血濡れの顔を勢いよく上げ、駆け寄る友人の名を呼ぶ。
彼女に目立つ怪我が無い事を確認すれば、無事で居てくれた事に唯々安堵した。]
良かった、……ちゃんとまた会えた
本当に良かった
[後でね、って。>>2:144
そんな些細な一言が守れた事が、こんなに嬉しいなんて。
取りこぼしてばかりのわたしだけれど、貴女からの手紙は、言葉はちゃんと掴めたから。
小さく折り畳んだ紙を、そっとポケットから取り出す。
血が付いて、くしゃくしゃで。既に元の面影が無くなったハリコからの手紙。>>2:-101>>2:296
けれどちゃんとわたしの所に届いたからって、知って欲しかった。]
手紙、読んだ、届いたよ
[死体からもぎ取ったとは言わなかった。けれどもしかしたら、察せられてしまったかもしれない。
折り畳んだ封筒を丁寧に広げれば、開封された跡が見えただろう。
わたしはハリコの顔を見上げながら手紙を胸に抱き、紡ぐ言葉を必死に探す。]