陽の当たらぬスラムの片隅から、
生身のお身体とツルハシひとつだけで
己の国を建て、富を築こうとする
「穴掘り屋」がいるらしい、と。
そんな噂を耳にした時に、ふと思ったのです。
まだ15歳の貴女が抱いた夢を、
私も共に見てみたい、と。
[「15歳の貴女」――相手が少女らしいということに触れるべきではなかったかもしれないと、「少女」の保護施設の役割を担ってきたリリオの元職員の電子の頭脳は思考していた。
それでも下手に黙ることで「何か裏がある」と誤解されても問題があると判断し、フアナは正直に話すことにしたのだ。]