[楽しげに話していた彼はふと顔が曇り、なんだか言いにくそうに、こちらを伺うように聞いてきます。]思い残すことは無いの。ワタシ、とても幸せだったもの。置いていかれてしまったことは、悲しいわ。ずっと一緒だったから。あの子……ワタシの持ち主だった子が死んでしまったとき、ワタシも一緒に連れていってくれると思っていたの。でもね、置いていかれてしまったのよ。ワタシを燃やしたくなかったのですって。あんまりだと思わない?最期を一番美しく飾ってあげたかった。