[料理は全然していなかった、と、最初の夜に酒の席で聞いていたが、手伝うといって彼女も台所に立つようになった。皿洗いなら、と言っていたけれど、他のことも徐々にするようになった。
自分の作る料理は切って焼いて、がメインだったが、日持ちするもの、という観点で鍋料理を作ったりしたのは、あの日>>0:397彼女が、優しい味だ、とスープを飲んでいたのが心に残っているせいかもしれない。たまには多少は凝ったものにも挑戦しようとか、試行錯誤して、失敗作を二人で食べながら、次はどうしたら美味しくなるか、とか相談したり。ウタの口に合えばいいと思っていたが、自分の好みも聞かれれば、食べれればなんでも、は飲み込んで、「濃いのが好きだけど、最低限味つけされてれば」と、あまり答えにならない答えを返したり。果物は食べるけれど、彼女の好む甘いものはあまり得意ではない。けど、ただ彼女のスイーツとかデザートとかの話をきくのは楽しかったかな。話している時の表情がみていて飽きないから。]