星狩りの国-暁の街-

26 ― 境界の先への手紙 ―


煙霞山 山主 蓬儡

趙雷、後は頼んだ。

[上の弟子に後を託し、男は山主としての仕事をする為にその場を後にする。

妖魔にとって、この世に生を享ける時に持った力が全てだ。
男は上級妖魔の間に生まれた故に、強い力を持ち、社会の上位にいた。
人間や下級妖魔の上に上級妖魔が君臨する。
ゲッカの社会構造はそのようになっている。

山主の統治方法はその妖魔によって性質は異なる。
「美貌」を至高とする者は、何より己の美貌を磨き上げる為の努力を惜しまず、美しいもので己の周りを纏めたがる傾向が強く、
「恐怖」を至高とする者は、何より己が高みにある事を望み、他者を畏怖で支配したがる傾向が強い。
──とは、男の評だが。
そして「誇り」を至高とする者は、何より己の名誉を大事にし、それを軽んじたり、傷つけようとする者を許さない。]

(103) 2024/09/21(Sat) 23:18:29

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