趙雷、後は頼んだ。
[上の弟子に後を託し、男は山主としての仕事をする為にその場を後にする。
妖魔にとって、この世に生を享ける時に持った力が全てだ。
男は上級妖魔の間に生まれた故に、強い力を持ち、社会の上位にいた。
人間や下級妖魔の上に上級妖魔が君臨する。
ゲッカの社会構造はそのようになっている。
山主の統治方法はその妖魔によって性質は異なる。
「美貌」を至高とする者は、何より己の美貌を磨き上げる為の努力を惜しまず、美しいもので己の周りを纏めたがる傾向が強く、
「恐怖」を至高とする者は、何より己が高みにある事を望み、他者を畏怖で支配したがる傾向が強い。
──とは、男の評だが。
そして「誇り」を至高とする者は、何より己の名誉を大事にし、それを軽んじたり、傷つけようとする者を許さない。]