[…青年は、まず暖炉の前に座り込む。
冷えた体を温めるのもそうだが、近くにおいてある
プレゼントの数々をみるために。]
……クリスマス。
誰かと一緒に過ごしたかった…
ミミちゃんと一緒に…いや、それだけじゃない
……僕を愛してくれる、誰かと…
[ミミちゃんにたくさんのささげ物をしてきた。
その返事はいつも満面の笑みと、ありがとうと、
大好き・愛してる、だった。
それだけだった。みみちゃんから、こちらに返してくれたことは一度もなかった。たくさんたくさん、長年積み重ねられてきたプレゼント達は、中身を除いて虚しくミミちゃんに捨てられてきたのだろう。包装紙に価値なんてないから。
…けれど、今目の前にあるプレゼントの数々は…
……一つ一つ、丁寧に包んであった。手紙がついていた。クリスマスにクラットが出勤できないことを惜しむ声もあった。…クラットを思っての、プレゼントたちは静かにそこで待っていた]