[ひどく低い声で漏らした呟きは、別に看守に訊かれるのを恐れてのことではなかった。
ただ、努めて抑えなければ、色々な“ダメ”なものをぶちまけてしまいそうな気がしたというだけ。]
だから、他の子たちの力にも、
叶う限り、なってあげたい。助けたい。そう思ったの。
……本気で悪いヤツかもしれなくても、それでも。
[その面々が具体的に誰なのかまではハリコからは触れずに、ケンチクから見ての「比較的まともそうな奴ら」の基準に任せることにして。
彼がルミ・ビリヴァーの事件を知っているなら、その「比較的まとも」にルミはまず含まれないだろうとは考えたが――彼女に対しては(何も知らなかった頃の)ハリコ自身が既に買収申し出の件を伝えていたのだった。]