[そうして、エスコートと、お話でもという彼の言葉に甘え、口を開く。]
……私、最初、
この船旅で私が得る物は何もないだろうって
そう思ってました
[胸の中に合った本音を零す。]
この一か月は怖い物、虚しい物だろう
行先であるホワイト・マーブルにも
何も求めていなかったんです
[輪郭のぼやけた未来を楽しみと思った事は一度も無く、そこに在ったのは漠然とした不安と、小さな諦め。
怖い、恐ろしいと言う感情が溢れ出し、終点に辿り着く頃には、自分はいっぱいのソレで破裂し、粉々となって霧散してしまうのだろうと、曖昧な存在の私はずっとそう思って居た。]
でも違いました