赦すのはイクリールでも俺でもない。
殺されたカウスと、イクリールの両親だけだ。
同じように、俺は俺の作った爆弾で
怪我をして、死んでしまったであろう者に
……それにより怪我をしているのであろう君も
含まれているがな、イクリール。
恨まれ憎まれ殺したいと思われることだろう。
自分の罪を幸せになる未来を得てはいけないという
免罪符に使うのは止めろ。
カウスの願いをまた、殺す気か。
君は何度カウスを殺せばいい?
制約など何もないんだよ。それこそ、君の心次第。
―――それでも最後まで
弟の情を裏切り続けて生きていたいというのなら
それでもかまわないけれどね。