空中散歩
ありがとう……!
[相手の思わぬ情報を知り祝福をする一幕から少し後、差し出された手を握り返し、二人は空に浮かんでいく。
>>92情けない言葉に返ったマウスの笑みは、バカにしたものではなく頼りがいと優しさがあるばかり。
重なった温度から与えられる力に安心感がゆっくりと広がっていくのを少年は感じた。
>>93]
わ、本当だ……っ。すごいね!
昔の人は流れ星に願い事をしたって本当かな?
[氷を溶かしていくように怯みをゆっくり解いた少年は、同行者がどれくらい心を配ってくれているのか察する程の余裕は無かったけれど。
相手のお陰で慣れていき、少しだけ出た速度に高い笑い声を上げてはしゃいだり、見下ろした遊園地も星空に負けず劣らず眩く美しいと気づき自分から指差して教えたりもしたのだった。
輝く夜空を散歩する最中、幾度も子供達の明るい声が上がっただろう。]