[適材適所、主な引率はクラマトが。周囲の警戒及びけん制役は自分が。強面の男が一人混ざって居れば、裏路地のごろつき達も流石に手は出してこない。
手を出してこなければ何でもいいとばかり、脇をすり抜ける。]
『退、け、 …ザリ』
[もしくは唯の一言で撤退させたり等。
このまま何もなければ、目的地まではもう直ぐだ。
だからそう、其処で密談している無法者達も放っておくつもりで――、]
『……、 』
[「また」だの、「今度は」だの。気になる単語が耳に飛び込んでくる。>>98
引き付けられるように視線をやれば、視界の端には見覚えのあるお下げが映って。
ひとまず今は、その場所を黙って通り過ぎる。
採掘所まではあと少しだ、向こう側に目的地がちらと見えたことを確認し、]
『青年、少しココで、待て』
[クラマトとタエナシを安全な場所に置いて、自分は先の無法者の所まで一人引き返した。*]