[肉体はこの墓石にはない。魂も両親がいるだろう神の御許に届いていない。二人の魂はこうして僕の中で一つにある。だからこそ、二人は二人として隣同士で寄り添えない。男性の身体のまま、その場に膝をつき十字架を愛すべき者と思い込みながら抱きしめる。錨を降ろしっぱなしの僕にはこの程度のことしかできなかった。]