>>108 ユークレース
[ 灯りのない部屋の中、確りと姿を確認していなくとも、訝しむ気配を感じる。
何かを勘づいてしまえば、其れを切っ掛けとして在らぬ方向へと思考してしまうかもしれない。 ]
………。
[ 確かに、体質によって困る人間は居るのだろう。血液や皮膚に薬剤、軽い検査のようなものだとしても…。
沈黙して考え込んでいると、酷く惹かれる彼の言葉が届いた。 ]
お礼?
……何を求めてもいいのなら。
[ その問いに肯定が返ってくれば、了承の意として頷くだろう。
鮮やかな濃い紅を強く求める魔物は、人間を見くびる自分に何も疑うことは無かった。 ]