残念ながら、くたばる予定は無い……ッ!
[傾き始めた戦況に、珍しく声を荒げる。
頭部を殴り、隙を見せた瞬間を狙う。
そうして背後に回り込み、頭部か襟足か、何処かしらに有るであろう接続ポートへ正確に狙いを定めて。
与えるのは、コンマ数秒の弾けるようなホワイトアウト。けれどそれで十分すぎる。
今回行うのは悪戯なクラックでは無い。欲しいのは「BloodSun」のデータ、もしくはこの男の見聞きした膨大な情報だけ。
それが済めば、この場から離脱しても構わないだろう。
殺し過ぎ余計に恨みを買った上、自分は些か傷を負い過ぎた。*]