ー 冬・校舎前花壇にて ー
寒いねー
[>>50 ケンの言葉の行き先が、まだ柔らかく閉じたままの蕾に向けられていると分かっていて、飯島はそう答えた。それから言葉をつけ足す。]
パンジーは寒さに強いから大丈夫。あ、でも強いのと寒いのは別か。
どっちにしても、ケンくんがそう言ってくれるの、ちょっと嬉しいかな。
[口から出た言葉は本心だった。
なんとなく、彼が花を気にかけてくれているような。
ただ思ったことをそのまま口にしたのかもしれないが、そんな風に思える台詞に表情は綻んだ。
彼は本当に真面目に飯島の話を聞き、知識も少しずつ積み重ねていた。>>51
彼の言葉に、肯定を返す。]
うん。やっぱ寒いしね。
そんな土も乾燥してるわけじゃないし、暖かい日に水やりすればいいと思う。
後は時間?日が落ちるの早くなってきたし、水やるなら昼休みが一番いいのかな。後は朝か。
[そんなことをいいながら、ちょっと笑って花壇の方を見た。]