[ そうして逸る気持ちを抑えつつ、広場へ。 同じように祭へ向かう村の人たちに挨拶をしながら。 目的地は、ふわふわのお菓子屋さんの屋台。 屋台の場所はやっぱり昨日の内に目星をつけていたから、駆け出したくなるのを堪えつつも、自然と大股歩きになる。 自分から言いだした『鬼ごっこ』、 彼女はどんな風に応えてくれるのだろう。 目標に近づいて、屋台のおじさんと目が合えば、いい笑顔で頷いて、顎で指し示した先には、 隠れている様子もなく、鮮やかな花飾りと、 白いワンピースを纏った彼女がベンチに腰掛けていた。]