─寮の自室─
[それはまだ、眠りにつくよりも幾刻か前。
まだ見習いでもある退魔士は机に座りノートを広げた。
夏に入るより少し前、学生にはつきものの試験に向けて
勤勉らしく対策でも練ろうかと、そんな折。
誰ぞに貸していたノートの隙間から
見慣れぬ紙がはらりと落ちる。
季節外れの桜のような、その花弁を長い指先が摘み上げ
紙に書かれた文字を、傘に隠れた瞳がなぞった。]
これは夢の中の遊園地『ネバーナイトランド』への招待状…?
[ふうん、と言葉を漏らしつつ枕元に置いてみる。
しかしまだその身をベッドに横たえることはなく。
夢の遊園地へと訪れるのは、試験勉強を終えたあと、
もう少しだけ先になりそうだ──**]