[そして少女は、ラピスの喜びについて。
幸せについて再度訊ねます>>101。
その返事については、少しの間悩んで、考えて]
はい。そうだと思います。
最初は、全部忘れていて、何もわからなかったけど。
けど、ヘローといっしょにとんだり、まうすやイノリと冒険したり、プレゼントをわたしたり、レオーネサマをもふもふして…ろーずおばあちゃまに、魔法の秘訣を教えてもらったりして…そのうち、思うようになったんです。
オトモダチに、幸せでいてほしい、って。
もし、胸に空いた穴を持っている人がいるなら、オトモダチになって、その穴を埋まられるようになりたいって。
僕は、『オトモダチ』用の機械人形ですから、そういう思考になりやすいのは理解できています。しかし…初めてここに来たときは、役目も、名前も、何もかも覚えていませんでした。
何をすべきかわからないなか…一番嬉しかったのは…人と人とすごして…胸に空いた穴が埋まって、暖かくなるのを感じたときだったから。
…魔法を使うコツは、相手のことを思いやって、相手がどうなって欲しいか願って、諦めないで、希望を捨てないで願い続けることなので、だから、僕も、みんなに暖かくしてもらったぶん…誰かの胸の穴を塞いであげられたら、と思うのです]