[──さて。どういう流れだったか、フットマンはもう忘れてしまったけれど、フットマンがフィジシャンの趣味>>52を知った。
そのとき、フットマンの口を突いて出た感想は「趣味悪ぃな」だった。
だけど、言葉の並びとは裏腹に、フットマンには嫌悪というより、揶揄ったりだとか、面白がるような色が浮かんでいた。
おかしくってしょうがない。
趣味が悪いと言った直後のくせに、フットマンはケラケラ笑う。]
なるほど、電脳だとそういう遊び方もあるか。
[フットマンが自分の後頭部を触る。
アンドロイドなら、接続用の穴がある場所。でも、生身の人間ならば、何もない場所。
別に、生身の人間だって想像して触ってもおかしくはないけれど、大抵は電脳化した人間が触れることが多いだろう。]
[じゃあ、やっぱりアンドロイドか。それは──さあ?]