[ 腹を空かせ、地を這っていたとき、 船の物陰から何かを見つけました。 見れば小さく、硬い毛質の丸い生き物で。 翡翠の目がぎょろりとコチラを見つめています。 よく大人達が言うような『化け物』かと、 出会った当初は思ったのですが。 襲ってくることもなく、ただ口のような箇所を 不規則に蠢かせて。傍から見れば 石を食べているようにしか見えませんでした。]