一方「鳥のようなもの」は
[オクリビから放たれたドローン
>>50は、あれから別の区画を飛んでいた。
本体からの指示がなくとも自律して動く機能を備えたそれは、音をさして立てることなく静かに宙を翔ける。
とはいえほんの微かな駆動音を聴き拾ったり、発する電波を感知したり、そもそも普通に姿を目撃したり……などで発見することはさして難しくない。
実際この飛行中も、「どの組織の偵察機か」とばかりに、何度か発砲の対象にはなっていた。避けたが。
飛行中の観測情報は、オクリビ本体に常時発信されている訳ではない。
やろうと思えば「本体」と「ドローン」の情報を並列処理することも可能だが、CPUにそれなりの負荷が掛かることもあって、この時は特にそうした稼働はさせていなかった。]