[目を覚ます。顔を洗って、お茶を淹れる。一口、口をつけて。]
うん、美味しい。
[それからペンを執って憧れの場所への言葉を連ねる。
ウル銀河星系、惑星アッサ。星の駅。様々な文化や人々が入り交じり共存する、星々の交流地。
皆と違うことが許される土地。夢見ることが許される星。そんな場所なら、実らない努力も無駄と切り捨てられることはないのかもしれない。
勿論、楽園のような場所でないのは知っている。
銀河に渡り、星に渡り、様々な場所から人や荷が集まるアッサは、それを目的とした人たちから狙われるということも。
だけどその場所で、人々を守るべく奮闘している人がいるということも。
その人たちのお陰で、恐らくアルカディアもその恩恵を受けていることも。
だから手紙を書く。アッサに知り合いはいないから、惑星の座標だけ書いた、宛先のない手紙になってしまうけど。
どこにも届かなくても、手紙を認めて。僕はそれを郵便物管理局へと持っていく。]