[その理音も、「先輩」の死によってまた後戻りしているのでは。
そのことに対して言葉を紡げないでいた時に、「未練」の語が「先輩」の口から聞こえました。>>94
感謝を告げながらも「大丈夫」の言葉を返すその人の内心にも、白薔薇の意識は寄ったのですが……。]
理音に会いたかったとは、今も望んでいる。
あの子の悲しみを、苦しみを、癒したいとも。
[白薔薇はまず自分のことを、正直に、さらりと口にしました。]
そうした未練の流し方は、私にはわからない。
この雪が、鐘の音が、いつか来る夜明けが、
この想いも全て融かしてしまう気もしてはいるが。
[この限られたひとときの中でのやり残しがあるかと言われれば、この時の白薔薇の思考には、あまりはっきりとしたことは思い浮かびませんでした。
強いて挙げるならば他に見かけたお客様のこととか、女将さんから教えられた足湯のこととか、謎の人型白色物体(※宇宙服だとは白薔薇は考えていませんでした)の行方とか、なんとはなしに庭に植えられた植物がどんなものであるのか>>0:210>>0:211>>0:212とか、その程度のことが挙げられたのですが……。]