ー 回想・二年生、全校集会にて ー[>>5 壇上へと上がっていく女子生徒を、少年は見ていた。彼の視界が映すのは、表彰状と表彰楯を受け取る彼女の後ろ姿。彼はそっと目を伏せる。視線を外して、顔を俯けた。>>79夢。それがどれだけ得難いものであるか。将来。それがどれだけ曖昧なものであるか。飯島明良は知っていた。映画では語られないモノローグ。カメラは彼の数分間の表情の移り変わりを映し、別の場面へと切り替わる。]