燃ゆる監獄
[アレッキーノの手を取り、嫌に豪華な輸送船(
>>2:262)へと飛び乗ったと同時、後方から巻き起こる爆発。
>>#1]
あわわっ……っと、セーフ! なのよ!
[大きく揺れる船にバランスを崩しそうになるも、つんのめりながらももう片方の手で義父の腕に掴まりぷるぷると体制を維持する。
手を引いて貰えば、一息ついて爆音が聞こえた方へと振り返る。
そこには、暴動が開始した時とは比にならない規模の爆炎が監獄から立ち上っていて、私は思わず息を呑んだ。
もしも、あそこに残っていたら──と想像して、僅かに身体が震えてしまう。
ウィレムは、ここまで想定していたのだろうか。まさか、この所業が彼の仕業だなどとは夢にも思わず、呆然と赤く包まれていく監獄を見ていた。
そして、言いようも知れぬ不安が胸の中を駆け巡っている感覚もこの時抱いていた。]