あら?
[ふっと聞こえてきた鼻歌>>56に、なんとなくその歌の方を見やり――思わず小さく声を上げた。
とはいえオクリビの声や顔色には、驚きも嫌悪も、恐怖ですらも、滲まない。
傍から見れば単に「知り合いに偶然出くわした」程度の反応だ。]
お久しぶりです、おじさま。
美味しいものに出会えてご機嫌ですか?
[赤い服の男が手にするチョコミントアイスを一瞥しながら、電脳の女は他愛なく問う。
「夜の女王のアリア」に属する電脳化壊しの風評を記憶していながら――それでも、今目の前にいる相手を避ける素振りもなく、笑う。
避けないのは無論、この中央表通りの不戦地帯としての性質故でもあった訳だが]