――パジャパ!!から数日後――
[パジャパでは色んな話を聞いて、知ることができた。
詩羽が、初対面でろくに話そうともしなかった自分も誘ってくれたことに今は感謝していて、陽のオーラも全く近寄りがたくなくなっていた。
向こうの世界で出会っていたら――それはもしも話で分からないが、詩羽と聖子が女子らしく盛り上がっているのも、虹介も混ざっての恋バナが始まるのも、互いの生活を興味深そうに語り合うのを眺めるのも、心地よかった。
詩羽は草花に興味があるようだったから。
図鑑を貸そうかと過ぎったら彼女から頼まれて。>>91
少し後になるかもしれないけど、と前置きして(外出の予定が決まった後だったから)こくこくと縦に頷いた。
後ほどピギーにも図鑑を貸すことは話しておく。
というわけでパジャパから数日後くらいか。
詩羽の部屋の場所はパジャパで聞いていただろう。
ピギーは一緒か別か、目印のような折り曲げ跡を直した頁など何度もめくった様子の窺える図鑑を、どうぞと詩羽へと届けたのだった。
詩羽はどんな花を調べるのだろう。
部屋に戻りながら、そっと考えたりした。*]