……心配してくれて、ありがとう。
私はこれでもまだ楽なほうだ。
今着ている服自体は、私の性に合っているしな。
[いっそバンドマンが大集結する舞台に生まれていればそれなりに楽しくやっていたかも、なんて空想までは口にはしなかった。バンドマンにはバンドマンなりの苦労や苦悩があるだろうと。
目の前にいる人も芸能に携わる職種かも、とはまだ考えていなかったが。]
っと、湿っぽい話をしてしまったかな。
[実際には特に湿っぽくもなんともなかったのかもしれないが。
「湿っぽい」という語がここで出る程度には、忘れてしまった心算の思考>>115が心の裡に影を落としていたのだろう。]