[私は悠然とした態度で構えている。
何故ならいつもこうして妻と腕を組んで歩いていたから。
つまり慣れているのだ。
妻がいつも照れながらそっと腕を差し入れてきたように彼女もそうする。102
緊張しているのか、シャツを引っ張る仕草に私はくすり、笑った。
皺なんて些細を気にしなくていいのだから。]
ふふ。では行きましょう。
[私たちはのんびりと歩きながら移動する。向かうのは彼女の部屋のつもり。
なので、こっちですか?なんて聴きながら歩く。
その間、彼女の話しに耳を傾けよう。
胸にいっぱい積もっているものがあるなら、少しでも解放してあげたくて。]