[世話役の日常は、日が経つにつれ、
規則的に流れるようになった。
毎日、至って平和だ。
強いていうなら、台所が時折戦場と化す。
「ウタ、それを入れるのはまだ早い!」
「……これ、元はなんだったけ?
まぁ、どちみち煮込めば形が崩れるから」
「待て、作り方を思い出すから、
何もしないで待ってくれ…!」
ダンジョンで魔物と遭遇した時並の緊張感に
時折見舞われる。
不思議と出来上がりは概ね上々。
達成感と、二人で食べる効果もあったかもしれない。
ウタは、食べてすぐに感想を言ってくれるから、
張り合いが出るのだろう。
そういえば、じーさんもばーさんの料理をしきりに褒めていたっけ。]