[どうやら、自分で思っていたよりもその事が堪えていたようで、脱走までの激動もあって疲労感はピークを迎えていたらしい。
幸運なのは、何も出来ないことが転じてあの子に思いを馳せる時間が思いがけず出来た事だろうか。]
(………フィア。
私、ここまで頑張ったのよ。
勝手に諦めようとして、ごめんなのよ。
でも、今は。
たくさん、沢山残っていたものを抱いて、ここまで来たのよ。
あなたがあの時、教えてくれたから、ここまで──)
[そう、既に消えたと思っていた片割れに呼びかければ>>2:24、やがて忍び寄る睡魔に意識を手放し、微かな寝息を立て始めるのだった。*]